インターネットを利用する時に、WiMAXを検討している人は多いのではないでしょうか。
もちろん持ち運びができたり、最初に工事が必要なかったりとメリットも多いのですが、光回線にはない注意点やデメリットもあるため、知らずに契約してしまうことは非常に危険です。
ここでは、実際にWiMAXを契約している筆者の経験からWiMAXのデメリットや注意点を紹介。またWiMAXをおすすめしない人などについて解説します。
素晴らしいサービスであるのは間違いありませんが、契約してしまった後に後悔しないためにも注意するべき点をしっかりと認識しておくと良いでしょう。
1.WiMAXのデメリット
提供:WIMAX
まずWiMAXのデメリットを紹介します。使用する人によっては致命的な点もあるので、注意してください。
1-1.対応していないエリアが多い
WiMAXをギガ放題で契約する場合、利用できるエリアは、WiMAX2+の回線が通っている場所になります。
「UQ WiMAX」公式ページのエリアマップを見てもらうと分かるのですが、都市部や市区町村の中心部では対応しているエリアが多いものの、地方の小さな集落などでは対応していない場所も多く見受けられます。
東京などの大都市に住んでいる方はあまり問題はありませんが、人口の少ない地域などに住んでいる方は、自分の地域が対応しているか、よく確認しておいたほうが良いでしょう。
エリアについてはこちらのページで詳しく説明しています。
ピンポイントエリア判定
大まかな対応エリアはエリアマップを見てもらうと分かるのですが、自分の住んでいる場所がエリアに入っているからといって、必ずしも電波が入るではありません。
実際、筆者は東北の地方都市でWiMAXを利用していたのですが、対応エリア内にも関わらず電波が入らない場所が数多くありました。
そこで自分の住居などで電波が入るか確認するために「ピンポイントエリア判定」を利用することをおすすめします。
ピンポイントエリア判定は「UQ WiMAX」公式ページのエリアマップ上部で検索ができるので、是非活用してみてください。
1-2.壁などの障害物があると通信できない場合がある
WiMAXはその電波の性質上障害物に弱く、安定した通信ができない状況が発生します。
筆者の利用している環境では家の窓から離れた場所、ビルの中にある施設や飲食店などで電波が弱くなったり、場合によっては圏外になる状況も多く発生しました。
また地下室や防音室などでも通信が弱くなるようなので、そのような環境で頻繁に利用する方は注意してください。
電波状況を改善するために
WiMAXの機器では2.4GHzと5GHzの2つの電波帯を利用できます。
2つの電波帯にはそれぞれ特徴があり
- 2.4GHz:色々な製品で使用されており混雑しやすいが、障害物に強く電波が届く距離が長い
- 5GHz:障害物に弱く電波が届く距離が短いが、通信が安定しており速い
といった違いがあります。
電波が届きづらい場合は電波帯を2.4GHzに変更することで改善する場合もあるので、試してみてください。
1-3.WiMAX専用の端末が必要になる
WiMAXのサービスで通信を行う場合は、WiMAX専用の端末が必要です。
契約時に付いてくるSIMカードをSIMフリー端末などに装着しても、通信することはできないので注意してください。
1-4.速度制限がかかる
WiMAXには光回線とは違い、一定量通信すると通信速度が制限される速度制限が存在します。
ここではWiMAXを契約している人のほとんどが利用している「ギガ放題」のプランを前提に説明します。
提供:UQ WiMAX
上記の図にもある通り通信制限の概要は
- 3日間で10GB以上の通信の行った場合に速度制限が適用
- 制限時間は18時〜午前2時の混雑時間帯
- 制限後の通信速度は約1Mbps(Youtubeが480Pで視聴できる程度)
となっています。
3日で10GBの目安は?
実際にどれくらい通信を行えば10GBに到達するのでしょうか。様々な例を上げてみました。
- サイト閲覧など、静止画メインの場合
媒体 | 1回あたりのデータ | 10GBあたりの回数 |
ネット閲覧 | 約300KB | 約3万回 |
地図の閲覧 | 約700KB | 約1.4万回 |
メール | 約5KB | 約190万通 |
LINEなどのメッセージアプリ | 約3KB | 約480万回 |
これらの静止画メインの通信を行う場合は、10GBの制限はあまり関係ありませんね。
次に動画視聴について見ていきます。
- Youtubeなどの動画視聴の場合
媒体 | 1時間あたりのデータ | 10GBあたりの時間 |
Youtube フルHD画質(1080P) | 1.6GB | 約6時間 |
Youtube HD画質(720P) | 0.8GB | 約12時間 |
Youtube 標準画質(480P) | 0.3GB | 約30時間 |
DAZN 標準画質 | 2.0GB | 約5時間 |
Hulu 高画質 | 1.0GB | 約10時間 |
こちらは静止画メインの場合と異なり、大量にデータを消費することがわかります。
筆者の場合はHuluなどの動画配信サービスを多く利用していたこともあり、月の半分ほどは通信制限に引っかかっていました。
ネットで他の人の状況を見るとほとんど通信制限に引っかからない、という声が多かったためあまり問題ないは無いかもしれませんが、家にいる時間が長い、高画質の動画を長時間視聴するなどといった人は注意が必要です。
通信制限を受けるとどうなるの
上に書いたように、通信制限を受けると18時〜午前2時の間で約1Mbpsの速度制限が行われます。
もちろん1Mbpsよりも遅い場合もありますが、筆者が利用している環境では概ね1Mbps前後で安定しており極端な速度制限は実感としてはあまりありません。
実際に通信制限を受けた感想としては「動画の画質が下がる以外には特に問題はあまり無く、ネット閲覧などの静止画閲覧においてはほぼ問題ない」といった感じです。なにかのきっかけで通信制限を受けてもライトユーザーにとってはあまり問題は無いので、安心してください。
ただし、オンラインゲームなどの通信は非常に不安定になったり、場合によっては通信が途切れることもあります。そういった用途の利用は控えたほうが良いでしょう。
1-5.違約金が高い
提供:WIMAX
- WiMAX 違約金(UQ WiMAXの場合)
1年目 | 2年目 | 3年目 | 更新月 | それ以降 |
19,000円 | 14,000円 | 9,500円 | 0円 | 9,500円 |
WiMAXのデメリットとして、他の光回線に比べて契約期間が長く、違約金が高く設定されている点が上げられます。
特に1年目は2万円近くの違約金を取られてしまうので、不満があっても解約がしづらいのがイマイチなところ。
契約期間も基本的には3年と長いので、契約する場合は自分に向いたサービスなのか注意深く検討したほうが良いでしょう。
2.WiMAX「プロバイダ」の注意点
実際にWiMAXを契約する場合、公式のUQ WiMAXから契約することもできますが料金が高くなってしまうため他の格安プロバイダからの契約がおすすめです。
ここではそれぞれのプロバイダにどのような注意点があるのか、まとめていきます。
2-1.プロバイダ共通の注意点
まずどのプロバイダでも注意しておくべきことを解説します。
機種変更には料金がかかる
WiMAXを長期間利用しているとどうしても端末の電池が劣化したり、新しい機種が使いたくなることが出てくると思います。
WiMAXでは機種変更のサービスがあり、端末を長期間使えば使うほど新しい端末を安く手に入れられるサービスがあったのですが、2019年10月以降、新規端末が一律15,000円となってしまいました。
今後もこの値段が上がる可能性もありますので、長期間WiMAXを利用する方で定期的に端末を変えたい、という方は3年ごとに新規で契約を結んだほうが良いでしょう。
ギガ放題は通信制限がかかる
WiMAXのデメリットでも紹介しましたが、「ギガ放題」のプランは3日で10GBの通信を行うと、翌日の18時〜午前2時の間の通信速度が約1Mbpsになる通信制限が発生します。
光回線のように通信制限がかからずにいくらでも高速通信ができるわけでは無いため、注意が必要です。
キャッシュバックの手続きが複雑
各プロバイダによって手続きの差はありますが、基本的にキャッシュバックを受け取る際には手続きを行う必要があり、手順もかなり複雑なことが多いです。
中にはオプションのサービスを一定期間契約し続けないとキャッシュバックが受け取れない場合もあるので、注意してください。
2-2.格安プロバイダの注意点一覧
Broad WiMAXの注意点
Broad WiMAXでは通常の違約金とは別にキャンペーン違約金が存在しており、24ヶ月以内に解約すると通常の契約解除金とは別に9,500円が請求されます。
WiMAXはもともと違約金が高く設定されているので、それに上乗せされると解約しづらくなってしまいますね。
GMOとくとくBBの注意点
GMOとくとくBBはキャッシュバックの受け取り方法が複雑です。
具体的な方法は以下の通りです。
- 契約すると端末が送付される。端末が送付された付きを端末発送月とする
- 端末発送月を含む11ヶ月目にGMOとくとくBBから付与されるメールアドレスにメールが送られてくる
- メールが送られてきた日付から翌月末までに、指示にしたがいキャッシュバック受取口座を登録する
- 受取口座を登録した翌月末に指定口座にキャッシュバックが振り込まれる
ここで注意したいことが、メールが送られてくるアドレスがGMOから送付されるという点です。
自分がいつも利用しているアドレスでは無いので、確認し忘れないようにしましょう。
UQ WiMAXの注意点
特に注意すべき点はありませんが、他のプロバイダと比べると月額料金が比較的高くなっています。
提供元のサービスなので安心感はありますが、価格はあまり安くないので注意してください。
クラウドモバイルの注意点
このプロバイダに限りませんが、月額料金が安いプロバイダは最新機種が使えないなどのデメリットがあります。
クラウドモバイルに関しては、最新の端末である「W06」と「WX06」が選べません。
他にもWiMAXではなく、プロバイダ独自の端末しか使えないなどのプロバイダもありますので、注意してください。
2-3.おすすめのプロバイダ
提供元:DTI WiMAX公式
\端末0円!月額が業界最安値級!/
今回一番オススメしているのがDTIのWiMAX2+サービスの利用です。
プラン名 | DTI WiMAX 2+ ギガ放題プラン(3年) | DTI WiMAX 2+ モバイルプラン(3年) |
データ容量 | 使い放題 | 月間7GB |
事務手数料 | 3,000円 | 5,500円 |
端末代金 | 0円 | 0円 |
LTEオプション月額料金 | 0円 | 1,000円 |
月額料金 1ヶ月目〜2ヶ月目 | 0円 | 3,500円 |
月額料金 3ヶ月目 | 2,590円 | 3,500円 |
月額料金 4ヶ月目〜 | 3,760円 | 3,500円 |
DTIで契約すれば以下のようなメリットがあります。
- 月額料金がどこよりも安い
- キャッシュバックの受け取りがない
- ○ヶ月無料のキャンペーンを行っている
DTIはGMOとくとくBBやASAHIネットのようなキャッシュバックが無い代わりに、どのプロバイダよりも月額料金が安いです。
しかも、2020年3月現在では最初の2ヶ月が無料となるキャンペーンを行っています。
3ヶ月目は2,590円で、4ヶ月目~3,760円と一番高くなる4ヶ月目以降でもかなり安いです。
また、キャッシュバックを受け取る必要がないので、手続きし忘れるといったことがありません。
GMOとくとくBBでキャッシュバックを受け取り忘れて、結果高額になってしまう可能性を考えると、かなりお得だと言えるでしょう。
GMOとくとくBBの特徴 3年間の総額が全プロバイダの中で最安
GMOとくとくBBは、キャッシュバックを含めると全てのプロバイダの中で3年間の総額が最安です。
サービスも充実しているので、最もWIMAXをお得に契約したいのであればGMOとくとくBBがおすすめです。
画像出典:GMOとくとくBB
\端末0円!料金が業界No.1の最安値!/
自身でキャッシュバックを受け取り忘れない自身があるのならば、GMOとくとくBBでの契約が一番安くなります。
プラン名 | ギガ放題プラン | 7GBプラン |
事務手数料 | 3,000円 | 3,000円 |
端末代金 | 0円 | 0円 |
LTEオプション月額料金 | 0円 | 0円 |
端末発送月 利用料金 | 3,609円の日割り(キャンペーン割引) | 3,609円の日割り |
1ヶ月目〜2ヶ月目 | 3,609円(キャンペーン割引) | 3,609円 |
3ヶ月目以降 | 4,263円 | 3,609円 |
他のキャッシュバックが付いているプロバイダだと高くて1万円ぐらいですが、GMOとくとくBBのキャッシュバックは34,800円と飛び抜けています。
圧倒的なキャッシュバック金額なのですが、貰えるのは契約してから12ヶ月後になります。
しかも、契約から11ヶ月後にGMO専用メールアドレスに届くキャッシュバック特典振込先を確認するメールに翌月までに返信する必要があります。
これを忘れるとキャッシュバックを受け取れないというリスクがあります。
GMOとくとくBBのキャッシュバックを受け取り忘れない方法
よほど記憶力が良くない限りはGMOとくとくBBのキャッシュバックを覚え続けるのは難しいです。
12ヶ月間キャッシュバックのことを覚え続けなくても、11ヶ月後に届くキャッシュバック特典振込先確認メールに返信すればよいのです。
なので、以下のような対策を行えばキャッシュバックを受け取り忘れないのでおすすめです。
- GMOとくとくBBと契約し端末が発送された月を1ヶ月目とし、スマホで11ヶ月後にアラームを入れます(4月に申し込んだら翌年2月)
- アラームが鳴ったらGMOとくとくBB専用メールアドレス内のメールをチェック
- 届いていればすぐに返信手続きを行い、届いてなければGMOとくとくBBにいつメールが届くか問い合わせて、再度アラームをセットする
例えメールを確認して手続きを行っても振込先登録の申請書に不備があると受理されないので注意してください。
利用料金未納・メール受け取り前にWiMAX2+サービス解約なども受け取ることができません。
3.WiMAXをおすすめしない人
WiMAXは幅広いエリアで高速な通信が可能な端末ですが、誰にもおすすめできるサービスではありません。
特に下の3つの条件に当てはまる方は、自分の環境が本当にWiMAXに向いているのか考えたほうが良いでしょう。
3-1.山間部や離島など、人の少ない地域での利用を考えている人
WiMAXがつながるエリアは年々拡大されてきてはいますが、それでも携帯電話のようなどこでもつながる、といった状況にはなっていません。
地方の中心部から離れた集落や山間部、離島等では満足に繋がらない場所が多いので、そのような場所での利用はやめたほうが良いでしょう。
3-2.光回線のような安定した通信を期待している人
WiMAX 2+ クッソ遅い pic.twitter.com/K6YHRUijqz
— taitan(たいたん) (@taitanno) April 7, 2020
https://twitter.com/shitoru4/status/1246688214540111877
WiMAXでは、光回線のような安定した速度での通信は期待できません。
利用している環境や日時によって様々で、通信制限がかかっていないのにも関わらず通信制限並みの速度になることもあります。
実際に私の利用環境でも30Mbps程度の快適な通信が行えた場合もあれば、1Mbps以下の速度が続いたりと安定感が無いことが印象でした。
さらに3日で10GB以上利用すれば通信制限に引っかかってしまうので、安定した環境でインターネット通信を行いたければ素直に光回線を契約しましょう。
3-3.高画質の動画やオンラインゲームなどを利用する人
先程WiMAXでは安定した通信が行えないと書いた通り、長時間に渡って安定した回線が必要な動画視聴やオンラインゲームには向きません。
特にスポーツなどの生配信では中継が一時中断したりと快適な視聴が難しいので、こういった方にもWiMAXはおすすめできないサービスです。
4.WiMAXを契約する前の注意点
最後にWiMAXを契約するときの注意点についてお話します。
通信のプランや利用する機種など、利用者が選ぶ項目がいくつかあるためそれらを中心に解説していきます。
4-1.契約プランを確認する
提供:Broad WiMAX
WiMAXには、月間のデータ制限容量が無い「ギガ放題プラン」と、月間のデータ制限容量が7GBの「ライトプラン」が存在します。
どのプランでもライトプランのほうが若干月額料金が低めに設定されていますが、自宅で利用することを前提とすると月間のデータ制限容量が7GBは少なすぎるため、ほとんどの人が契約しているギガ放題プランがおすすめです。
4-2.自分の地域が利用可能か調べる
繰り返しになりますが、WiMAXの回線は携帯電話などに比べると利用できるエリアが限られています。
契約する前に、「UQ WiMAX」公式ページのエリアマップから、「ピンポイントエリア判定」で自分が住んでいる地域で通信が行えるか確認してください。
契約前に、Try WiMAXがおすすめ
UQ WiMAXでは、実際に契約する前に自分が利用する場所で快適に通信が行えるか確認できる、Try WiMAXというサービスがあります。
- 20歳以上
- 申込時にクレジットカードを登録できる
- 過去180日間以内にTryWiMAXのご利用履歴がない
以上の3つの利用条件を満たす人であれば、WiMAX端末を15日間借りることができます。
契約したあとで後悔しないためにも、契約前にTryWiMAXを利用してみると良いでしょう。
詳細はこちらから確認できます。
4-3.機種を選ぶ
W06 | WX06 | HOME 02 | HOME L02 | |
最大通信速度 | 1.2Gbps | 440Mbps | 440Mbps | 1.0Gbps |
連続通信時間 | 約540分 | 約690分 | ||
重量 | 約125g | 約127g | 約218g | 約436g |
外寸 | 約128×64×11.9mm | 約111×62×13.3mm | 約50×118×100mm | 約93×178×93mm |
現在WiMAXでは、一部のプロバイダを除き主にW06、WX06、HOME 02、HOME L02の4機種が発売されています。
2020年4月現在では、W06とWX06が圧倒的におすすめです。
おすすめできる理由は主に
- 通信速度が他の機種より速い
- 繋がりやすさが現行機種に比べて格段に向上
- 『WiFiテザリング』に対応しているので複数端末の利用でも高速通信が可能
です。
5.まとめ
今回はWiMAXの注意点に関してお話しました。
広いエリアで通信が行える、通信できる容量が多いなどの利点はありますが、通信が行われないエリアも広く、光回線と比べると通信が安定しないなどのデメリットも存在します。
全ての人におすすめできるような万能なサービスではありませんので、自分に向いているかをしっかりと認識した上で契約するか考えるといいでしょう。